2011/04/08

【書評】ブルース・ピープル

ブルース・ピープルと言ってもブルースは通低音としては響いているが、そのものの話は1/3もない。どちらかと言えばジャズ中心。
アメリカ黒人が歴史的に置かれてきた立場から生まれたブルース衝動/表現が拡散していく過程の物語。

ブルースとは形式ではなく、個人が社会から孤立したところに生まれる言葉であり、感情であり、叫びであるということ。

その条件が整ったのが、伝統から切り離された新世界であり、資本主義であり、自由主義であるアメリカに奴隷として連れた後に、解放されたアメリカ黒人であるということ。あらゆるものからの断絶・孤立。

常に社会の枠から阻害されていく個人の感情としてのブルースは今や世界のどこでも見いだせるのではないだろうか。

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